なにも見ていない―名画をめぐる六つの冒険



なにも見ていない―名画をめぐる六つの冒険
なにも見ていない―名画をめぐる六つの冒険

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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流れるような展開、深い洞察力

中身に関するレビューは下の方がうまくまとめていらっしゃる通りだと思う。
少し難しさを感じる場面はあるが、絵を見るのが好きな人であれば一気に読める。
それほどのスピード感があり、絵画に対する真摯な姿、深い洞察力には感銘を受けた。

いくつかの章は会話調で進んでいて、一見真面目な本でないような印象を持つが、
簡単に書いているように見えて実はとても高度な内容を論じている。
本書はもちろん翻訳なのだから、原書をうまく意訳するのは大変なことであったと思う。
訳者には感謝するとともに、やはりこのような書物がもっと多く日本語にならないものか、
プロの方々にはぜひ奮起していただきたい。

最後に、本書を読むと「絵画の見方は一つではない」ことを再認識させられる。
少しばかり学習が進むと「この絵はこう見るべき」という考えに陥ってしまうが、
頭のコリをほぐすのに最適であるとも感じた。
確かに何も見ていませんでした

 絵を見るおもしろさを教えてくれる本をひさしぶりに読んだ気がします。書簡体、講演風、対話篇というふうに論文調でない文体を通じ、絵画そのものに何がどう描かれているのかに徹底的にこだわる姿勢から、思いもかけない解釈が示されます。コッサの「受胎告知」で最前景をカタツムリが這っているのはなぜなのでしょうか。ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」が左手でオナニーをしながらこちらを見つめているのは、何を表すのでしょう。だれもが見落とすような細部をもとに、その絵の意味をすっかり読み換えてしまう議論は、実に爽快です。

 絵の典拠になるものを言葉で書かれた資料の中に見つければ安心してしまい、絵の特異さを凡庸な言語に解消してしまうような図像学を、著者はしばしば揶揄しています。といっても、この本は、むつかしいことなど考えずにすなおな心で絵を見さえすればいいんだよといった素朴さ(それは偽りの素朴さに過ぎないのですが)とは対極に位置します。やはりたいへんな学識が動員されているのですから。だいじなのは、絵の外側で証拠探しをするのもいいけど、もっと絵の中をちゃんと見ようよという態度です。

 翻訳もよく工夫された本だと思います。著者が昨年59歳で亡くなったというのは残念なことです。『細部』など、この著者の代表的著作をフランス語で読みとおすのはたいへんそうですから、だれか美術史の専門家が翻訳をしてくれないものでしょうか。ここ十数年くらいの美術史のだいじな本ってぜんぜん翻訳が不足している気がしますが。



白水社
モナリザの秘密―絵画をめぐる25章
ヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷
観察者の系譜―視覚空間の変容とモダニティ (以文叢書)
影の歴史
異教的ルネサンス (ちくま学芸文庫)




なぜ、人を殺してはいけないのですか

なぜ偉人たちは教科書から消えたのか 【肖像画】が語る通説破りの日本史

ナチ・ドイツ軍装読本―SS・警察・ナチ党の組織と制服

ナチスの発明

ナチズムの時代 (世界史リブレット)

ナチ占領下のパリ

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ナポリのマラドーナ―イタリアにおける「南」とは何か (historia)

ナポリの街の物語―そこにイタリアの全てがある街

ナポレオン〈下〉―英雄の野望と苦悩 (講談社学術文庫)




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